ゴムのはなし

天然ゴムは南米アマゾンや東南アジアに生息する「ヘベア」というゴムの木から採取できる樹液で作られています。
合成ゴムは石油を精製した時にできる「ナフサ」を原料として作られます。

ゴムができるまで

 

1. 原料の採取

天然ゴムの木は、日頃国内で見られるようなゴムの木とは違って背の高い落葉樹なんです。
輪ゴムの主原料はこの木に切り込みを入れて樹液(ラテックス)を採取し、ブロックにしたものです。

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2. 精練

このブロック状の天然ゴムを「ロール」という機械で素練りし、硫黄と、次に用途に合わせた薬品を混合していきます。
次に「ストレーナー(ゴミを取る押出機)」で、網を使ってゴムの中に含まれるゴミを取ります。
ここまでで下ごしらえは終了です。

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3. 押出し・加硫

押出し機で輪ゴムと同じ直径のゴムバンドチューブを成形します。そのチューブをパイプに通し加硫缶(圧力釜のようなもの)に入れ、圧力と熱を加えて加硫(化学反応)させます。そして、いよいよ仕上げです。

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4. 裁断

パイプからゴムをはずしてチュープを裁断(輪切り)します。

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5. 包装(出来上がり)

ゴムの木から採取した樹液が、輪ゴムになりました。

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ゴムのはなし

 

ゴムってなに?

  • 「ゴム」とは元来、植物体を傷つけるなどして得られる無定形かつ軟質の高分子物質のことです。現在では、後述の天然ゴムや合成ゴムのような有機高分子を主成分とする一連の弾性限界が高く弾性率の低い材料すなわち弾性ゴムを指すことが多い。漢字では「護謨」と書き、この字はゴム関連の会社名などに使われることが多い。エラストマーの一種であり、エラストマーはゴムと熱可塑性エラストマーの二つに分けられます。

ゴムってなぜ伸び縮みするの?

  • ゴムを作っている基本の粒子はひも状(高分子と言います)になっています。ゴムはひも状の分子(粒子)が丸まって出来ているため、力が加わると変形します。ただ、生ゴムは分子同士の結びつき(架橋)が無いので、変形はしても元の形には戻りません。そこで生ゴムに「加硫」という方法(工程)で人の手を加えて、分子同士の結びつきを作ったものを加硫ゴムと呼びます。 加硫ゴムはその結びつきによって、力が加わり変形しても元の形に戻ろうとする力が働くようになるのです。

ゴムの種類

  • 天然ゴム:
  • 天然ゴムは南米のアマゾンや東南アジアにあるヘベアというゴムの木の樹液(ラテックスといいます)でつくられています。
  • 合成ゴム:
  • 合成ゴムは石油を精製したときにできるナフサが原料でつくられます。

天然ゴムの特徴

  • 天然ゴムは加工性が良好で、引張強さ、弾性、耐摩耗性、耐寒性に優れ、動的発熱が小さいなどの特長があり、多くの用途に向けられますが、耐熱性、耐油性、耐候、耐オゾン性に乏しい欠点があります。

由来・歴史

  • 今日のオランダ語で gom、英語で gum、フランス語で gomme、ドイツ語で Gummiなどと一群の欧州言語で表記される物質は、古代や中世には、アルコールには不溶だが、水を含ませると著しく膨潤してゲル状になり、種類によってはさらに水を加えると粘質のコロイド溶液となる植物由来の物質を指しており、主として多糖類から構成されている。逆に、水には不溶だがアルコールには溶ける植物由来の無定形の樹脂はレジンと呼ばれる。こうしたゴムの代表がアラビアゴムであり、また似たものにトラガカントゴムやグアーガムがある。近代の発酵工業によって新たに登場した類似物質として、キサンタンガムが知られる。これらは食品の粘度を調整したり(増粘多糖類)、接着剤、あるいは水彩絵具の基質として用いられてきた。これらは弾性ゴムが一般的となってからは水溶性ゴムと呼ばれている。

    天然ゴムがクリストファー・コロンブスによって1490年代にヨーロッパ社会に伝えられた。
    16世紀になってヨーロッパ人が中南米の文化や自然産物と接触するようになってから、彼らが古くから知っていたゴム(ガム)に似ているが、それらにはない新しい性質を持った植物由来の物質が知られるようになり、また導入され、古くから知られていたゴム(ガム)と同じ範疇の物質としてゴム(ガム)と呼ばれた。これらは植物体に含まれる乳液(ラテックス)を採取し、凝固させることによって得られるものであった。その中のひとつはチクルの幹から得られ、人間の体温程度の温度で軟化するもので、噛む嗜好品として用いられていた。

    もうひとつ、パラゴムノキの幹から採取されるラテックスを凝固させたものは高い弾性限界と弾性率の低さを併せ持ち、後世ヨーロッパで産業用の新素材として近代工業に欠かせない素材として受容され、発展することとなった。そのため、パラゴムノキ以外の植物からの同様の性質のゴムが探索され、また同様の性質を持つ高分子化合物の化学合成も模索されることとなった。この一群のゴムを弾性ゴムと呼び、イギリスの科学者ジョゼフ・プリーストリーが鉛筆の字をこすって (英: rub) 消すのに適することを報告したこと(消しゴムの発祥)から、英語ではこするものを意味するラバー (rubber) とも呼ばれることとなった。 さらに天然のゴム類似物質としてガタパーチャ(グッタペルカ)がある。
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